2019年9月4日水曜日

神経が死んで痛みを感じないことも多く、細菌に感染していると根に膿が溜まり、痛みが起きることもあります

歯が痛い!もしかしたらそれは虫歯かもしれません。 虫歯は、いきなり歯に穴があく病気ではありません。歯の成分が徐々に溶け出し、やがて歯に穴があいて虫歯になります。虫歯は、口の中に存在する虫歯の原因菌(主にミュータンス菌)が作る酸が歯を溶かし、やがて穴があいてしまう病気です。原因菌である細菌は、まず歯に付着して歯垢(プラーク)を作り、食べ物に含まれる糖質を使って酸を作ります。この酸が、歯の成分であるカルシウムやリンを溶かします。歯に歯垢(プラーク)が残ったままでいると、酸がさらに作られて脱灰が進行し、やがて穴があいてしまいます。歯に穴があく一歩手前の状態は「初期虫歯」と呼ばれていますが、この状態であれば、削らすに修復することができます。虫歯が進行して、エナメル質(歯の表層)に小さな穴があいてしまった状態が「虫歯」です。 放置すると、そこから象牙質、神経(歯髄)へと内部へどんどん進行して、やがて痛みも激しくなります。初期虫歯の状態は痛みもなくわかりづらいため進行してから受診されることが多いです。症状が無くても「虫歯」始まっている可能性があります。 
<虫歯の進行>
初期虫歯
まだ歯に穴はあいていませんが、表面が溶かされてツヤがなくなり、白く濁って見えたり薄い茶色になったりします。痛みなどの自覚症状はありません。この様な虫歯は「再石灰化」によって削らずに健康な歯に戻すことができます。
エナメル質のむし歯
歯の表面(エナメル質)の範囲に穴があいた状態です。痛みは感じません。この様な虫歯は「コンポジットレジン修復」という治療法で治すことができます。コンポジットレジンは見た目が白く、削る量は少なく、1日で治療を完了することができます。また、麻酔を使わず痛みのない治療が可能です。(虫歯の範囲にもよります。)
象牙質まで進んだむし歯
虫歯が歯の内部に広がり、象牙質まで進んだ状態。冷たい飲食物で痛みを感じたり、物が詰まり易くなります。この様な虫歯は前述の「コンポジットレジン修復」または範囲や虫歯の位置によって一部を詰める、かぶせる「インレー・アンレー修復」、歯を覆う「全部被覆冠」などの処置になります。詰め物かぶせ物についてはこちらを参照してください。
神経まで進んだむし歯
虫歯が神経まで進んでいる状態です。歯に大きな穴が空いているか、もしくは表面の穴は必ずしも大きくなく、内部で広がっています。神経が炎症を起こしている場合は、激しい痛みがあります。この様な虫歯は「根管治療」(場合によっては神経を保存できる場合もある)を行い、虫歯の範囲によって「アンレー修復」「全部被覆冠」などの処置になります。(場合によって「コンポジットレジン修復」)「根管治療」についてはこちらを参照してください。
歯根だけ残ったむし歯
歯の見える部分がほとんど崩壊し、歯の根っこだけ残った状態です。神経が死んで痛みを感じないことも多く、細菌に感染していると根に膿が溜まり、痛みが起きることもあります。これは放置していると全身の健康を害する病巣となりえます。この様な虫歯はまず歯を保存できるかを考えます。歯が割れてしまっていたり、虫歯があまりに大きい場合は抜歯になることもあります。その場合は当クリニックでは、マイクロスコープの画像を見て確認していただきます。保存できると判断した場合は「根管治療」を行い、かぶせ物を作製します。また再度かぶせ物を作って長期間問題なく使っていけるように、その歯の部分的な矯正や歯肉の外科処置などを提案することもあります。

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